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トランス脂肪酸

「トランス脂肪酸」の危険性

皆さんは「トランス脂肪酸」という言葉を聞いた事がありますか?これは食用油の一種で、「マーガリン」の原料にもなっています。「コレステロール値を下げる」、「お腹の調子を整える」などの健康効果が期待できる油として、かつては“特定保健用食品(トクホ)”認定を受けていた時期もありました。ところが、後年の医学研究で、この「トランス脂肪酸」には発ガン性やアレルギー疾患、心臓病、糖尿病、高血圧、認知症、鬱病など“様々な健康被害を及ぼすリスク”がある事が発覚しました。その結果、「トランス脂肪酸」を多量に含んでいたトクホ指定食用油が一転、販売中止に追い込まれるなんて騒動も起こりました。

では、この危険な発ガン性がある食用油、現在はもう使用されていないのか?…いえいえ、今も日本国内で大量流通しています。その中でも最も代表的なのは、先述の「マーガリン」ですね。スーパーマーケットの乳製品売場を見れば一目瞭然ですが、最近は「バター」がほとんど流通しておらず、商品棚は「マーガリン」ばかりで占拠されています。「うちは朝食で普段トーストを食べる習慣など無いし、マーガリンも買わないから大丈夫」と言う方もおられるでしょう。ところがコンビニやファストフード店で売られている市販のパン類にも、「マーガリン」はほぼ必ず含まれています。商品パッケージの裏面に書かれてある原材料表を見てみて下さい。「マーガリン」、もしくは「ショートニング」や「ファットスプレッド」などの別名で原料に含まれている事実が書いてあるはずです。パン以外にもケーキ、揚げ物惣菜、マヨネーズ、レトルトカレー、スナック菓子、アイスクリーム(特にラクトアイス)等々、危険な「トランス脂肪酸」が含まれている食品は沢山あるので注意して下さい。ちなみに日本でも近年、ようやく一部のドーナツ系ファストフードチェーン店で「トランス脂肪酸油、不使用」を謳った商品が販売されるようになりました。今後、そうしたお店がどんどん増えてくれる事を期待したいですね。

 

「トランス脂肪酸」の成分構造は、“プラスチック”と非常によく似ています。その為、「トランス脂肪酸」を多く含む食品には虫や微生物などが寄り付かず、腐り難くて大変日持ちします。裏を返せば、「トランス脂肪酸」を含む食品を食べるという行為は、つまりプラスチックを食べているのと大差無い訳です。「トランス脂肪酸」を摂取し続けると体内に段々と蓄積され、健康被害リスクも増大して行きます。活性酸素を体内に大量発生させて細胞に損傷を与える、免疫異常をきたし易くするなど、人体にとって様々な悪影響を及ぼす事が分かっています。「トランス脂肪酸」の使用を減らす事で年間2万件の心臓発作トラブルと、それによる7千人の死亡者を回避できるとも言われています。欧米の人々は「トランス脂肪酸」の事を「食べるプラスチック」などと呼んで嫌忌していて、先進各国では食品への使用を規制する、含有量を商品パッケージに記載するなど対策への取り組みが拡大しています。しかし何故か日本だけは「トランス脂肪酸」対策がずっと放置されたままで、マスコミもこの問題をほとんど報道しません。従って、健康被害リスクが心配な方は、自主的に自衛手段を講じるしかありません。「トランス脂肪酸」を含んだ食品の購入はなるべく差し控える、調理の際には健康に良いと言われているオリーブオイル、えごま油、亜麻仁油などを使用するように心掛けて、対処して下さい。

 

参考資料

●トランス脂肪酸の危険性について、なぜ日本は欧米のような対応をしないのか?
http://amccrh.com/2575.html

●危険なトランス脂肪酸、心筋梗塞、流産…何故、日本で野放し?

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